日本株投資家坂本彰先生の書籍『10万円から始める 高配当株投資術』で学究社が紹介されていました。
実際に銘柄分析してみると確かに高配当投資をする投資家ならば良い銘柄であると思いました。
学究社とは?
東京都、神奈川県で学習塾ena(エナ)を運営している企業です。
都立中高一貫校、都立難関高校、難関大学への進学に力を入れている企業でもあります。
そんな学究社の特徴を解説していきます。高ROE経営と高配当株が特徴と言えます。
配当利回り4%超えの高配当株です。高配当投資をしている方は良い投資対象になるかもしれませんね。
特徴① 高ROE経営
学究社は高ROE経営を行っています。ひらたく言えば稼ぎがうまい企業です。
そもそもROEが、わからないという方は以下を参照してください
ROEとは…
ROE(Return on Equity)日本語では「自己資本当期純利益率」または「自己資本利益率」と言います。
式で表すと、
ROE(%)=(当期純利益/自己資本)×100(%)
となります。
分母の自己資本に対してどれだけ分子の純利益を得たのかを知ることができます。
すなわち、ROEが高いほど自己資本の使い方が上手く、稼ぎ上手と言えます。
結論から言えば、学究社のROEは20%前半から後半を推移しています
直近3年間のデータを見てみます。
・27.3% (四季報 2022年第1集)
・23.6% ( ゛ 2021年第1集)
・23.1% ( ゛ 2020年第1集)
という結果です。
学習塾経営を行っている企業においてROEが20%台は高いと言えるのかどうか判別してみましょう。そのために学習塾の同業他社と比較してみましょう
同じく学習塾を運営しているステップ(9795)と早稲田アカデミー(4718)とのROEと比較します
・ステップ
11.2%(四季報 2022年第1集)
6.5% ( ゛ 2021年第1集)
9.8% ( ゛ 2020年第1集)
ROEは10%前後という結果です。
ステップは自己資本比率が80%台を推移しています。そのためROEが低い数値になってしまう側面もあります。経営方法がうまくないという訳ではありません。
・早稲田アカデミー
同期間直近3年のデータを用います。
・5.5%(四季報 2022年第1集)
・9.7%( ゛ 2021年第1集)
・12.7%( ゛ 2020年第1集)
早稲田アカデミーの自己資本比率は40%~60%程度で推移しています。
ここまで同業他社とROEを比較しました。
日本企業において、ROEが10%以上あれば優秀な企業です。
学究社は高ROE経営を行っており効率的な経営を行なっているとみなせます。
特徴② 高配当株
特徴の2つ目として高配当株ということが挙げられます。
学習塾ビジネスは収益が安定しているため、安定した高配当を維持する傾向にあります。
直近のデータで配当利回りを計算します。
株価1601円(2022.4.1終値)
1株配当75円予定 (2022年3月末時点)
配当利回り4.68%
配当利回りは4%超えです。
1株配当と配当性向の推移は以下の通りになります。
EPS(円) | EPS増減率 | 年間配当金(円) | 配当性向 | 増配率 | ||
9769 | 学究社 | |||||
2021年度 | 75(予定) | |||||
2020年度 | 100.6 | 65 | 65% | 8.3% | ||
2019年度 | 84.1 | 60 | 71% | 0 | ||
2018年度 | 76.5 | 60 | 78% | 0 | ||
2017年度 | 91 | 60 | 66% | 0 | ||
2016年度 | 91.3 | 60 | 66% | 0 | ||
2015年度 | 77.8 | 60 | 77% | 20.0% | ||
2014年度 | 76.3 | 50 | 66% | 25.0% | ||
2013年度 | 55 | 40 | 73% | 33.3% | ||
2012年度 | 41.4 | 30 | 72% | 50% |
配当性向は60%~70%程度で推移しています。一般的な日本企業の配当性向は30%程度です。
なので学究社は少し高めですね。
将来的に純利益の成長が見込めない場合、持続的な増配を行うシナリオは厳しいかもしれませんね。利益の継続的成長が望まれます。
株主優待
3月末の権利付最終日に同社を100株以上保有していると1,000円分のクオカードが株主優待としてもらえます。
100株保有をしていれば年間配当金7,500円とクオカード1,000円分がもらえます。
株価が1,600円だとして優待を考慮すると利回りは約5.3%にもなります。
最後に・・・
直近3年において、株価は高値をとってきています。2022年4月現在、株価は1600円前後を推移しています。
それに伴い、配当利回りは減少傾向にあるので今後も一気に資金を投入するつもりはありません。
株価が少し下がったところでコツコツ押し目買いしていくつもりです。
✳︎投資は自己責任でお願いします。
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