新NISAが始まり、投資信託をコツコツ積み立てて資産形成していく上で悩ましい問題は
“全世界株式(オールカントリー通称:オルカン)かS&P500どちらに投資するか”ということです
証券会社の投資信託の販売金額ランキングでもオルカンとS&P500が常に上位にランクインしています
結論ですが
オルカンよりS&P500に投資した方が良いです
オルカンではなく、なぜS&P500に投資をしたら良いか以下解説をしていきます
リターンはS&P500の圧勝
まずは、リーマンショック直前の2008年から現在までの約15年の長期スパンでのリターンの比較をしてみましょう
上記のチャートは2008年3月から現在(2024年6月)S&P500とオルカンの比較です
S&P500 310%のリターン
オルカン 128%のリターン
S&P500は約4倍のリターン、オルカンは約2倍のリターンです
次に、2014年から2024年現在までの1年間ごとのリターンを見てみましょう
2017年を除いて、すべてS&P500の勝利です
ちなみに2017年のリターンはオルカン24.4%、S&P500 21.7%となっています
2018年、2022年のようなマイナスリターンの年も下落率はオルカンと比べてS&P500の方が低いです
強気相場では、より多くのリターンを求め、弱気相場ではできるだけ損失を避けたいものです
例外の年はあれど、年次ごとのリターンと損失を比較してもオルカンよりS&P500の方が優れています
S&P500の方がシャープレシオが高い
シャープレシオとは簡単に言うと、リスクあたりのリターンのことです
シャープレシオの値が高いほど効率的な投資ができていると言えます
直近10年、2014年から2024年現在までのシャープレシオは
オルカン 0.53
S&P500 0.76
となっています。
シャープレシオはオルカンよりS&P500の方が良いです
更にリターンとリスクも見ていきます
1年ごとのリターン(年次リターンCAGR)はそれぞれ
オルカン 8.56%
S&P500 12.61%
となっています。
どれだけ株価変動するかを表した標準偏差は
オルカン 14.76%
S&P500 15.26%
という結果です。
オルカンとS&P500では、対してリスク(標準偏差)が大差ないです
「オルカンは、全世界に投資しているからS&P500よりリスク分散できている」という考えは感覚の話ということになります
データから見るにリスクは、ほぼ同等です
そして、リターンはS&P500の方が良いわけです
同程度のリスクを受け入れて投資をするならリターンの良い方に投資するほうを選択するのが合理的です
つまり、オルカンよりS&P500に投資するのが合理的だとは思いませんか?
S&P500でも国際分散投資ができている
S&P500に採用される銘柄は米国企業であることが条件です
そのため米国のみならず米国外の成長性の高い企業に投資したいという考え方からオルカンを選ぶ方もいるでしょう
しかしながら、S&P500に採用されている米国大型銘柄500社の売上の6割は米国内であるものの、残りの4割は米国外での売上であるという事実に着目して欲しいです
S&P500に採用されてている米国企業は新興国などにもグローバルに事業を展開しているため
S&P500に投資する=米国外の経済成長も享受していることを意味します
S&P500に投資することは、米国のみならず米国外の成長性に対してグローバルに投資できていることになります
オルカンには中国株が含まれている
オルカンには、全体の約3%ほど中国株が含まれています
今後のGDP成長率やBRICSとしての将来性、成長性に期待して中国に投資をする人がいると思います
しかしながら、中国株に投資することはカントリーリスク、地政学的リスクが大きいです
中国共産党の一党の支配下においては、政府の鶴の一声によって新たな規制や政策の改正によって株価の下落、売買の制限などのリスクが引き起こされる可能性が高いです
オルカンに含まれる中国株の構成比率は小さいですが、中国株に投資するリスクは避ける方が無難だと思います
オルカンに限らず、中国株はご自身のポートフォリオに組み込まないことをお勧めします
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