長期投資家にとって‟長期”とは一体どれくらいの期間を想定していますでしょうか
10年、20年、年金をもらう年齢まででしょうか
投資家によって期間は様々だと思います
以前,奥野一成著、書籍『投資家の思考法』を読んでみたのですが、驚きの内容が書いてありました
長期投資=永久ホールド
『長期投資家の辞書に利確という言葉は存在しない』
投資家の思考法 奥野一成著
奥野氏は長期投資の期間は永遠と考えています
そして長期投資する投資家には利益確定という概念が存在しないそうです
簡単に言うと、あの世からお迎えがくるまで株をバイアンドホールドせよということです
なぜ長期投資の期間が永遠なのか?
理由は4つ書かれています
- ①利確すると約20%の課税がされるため
- ②株式の売却とは現金に投資するということだから
- ③含み益を実現させるために株式を売却することはファイナンス理論的に間違っているため
- ④素晴らしい経済性を持つ事業が複利的に価値を増大するのを楽しむため
①は、確かに利確すると課税されるため、複利効果を活かせないため合理的な理由です
②について、ポートフォリオの現金比率を上げて、株式比率を下げるために株を売却するという条件ならば、同氏は株式の売却に関して肯定しています
③について、同著には、ファイナンス理論の説明が具体的に書かれていません
④について、投資によってお金を増やすことだけを目指すことは、お金に対する強い執念の表れであると奥野氏は主張しています
個人的には、④の理由に関して、少額の資産しか投資できない個人投資家にとっては事業の価値増大に寄与しているという感覚を得るのは難しいと感じます
巨額の資産を運用する機関投資家ならではの考え方だとも言えるのではないでしょうか
ただ、投資家として非常に崇高な考え方だと感じました。そんな思想を持った投資家になってみたいものです。
ここで、株を永遠に保有というということは、高配当株を保有しインカムゲインを目的とした投資を目指すということなのでしょうか
あくまでも企業が長期にわたって利益を生み出し続けることができるということが重要と同氏は主張しています
高配当投資を特に積極的に進めているスタンスではなく、書籍では明確に是非を示していません
利益確定も人生において大事なことではないか?
当たり前ですが、資産をあの世にもっていけることはできないわけです
人生の途中で株を利益確定、売却する。そのお金で旅行に行く、家族のために使うということも大切なことではないでしょうか
お金を人生の節目節目で使っていくことも人生を豊かにするためには必要なことだと感じます
奥野氏の書籍『投資家の思考法』は具体的に株で儲ける内容のレベルの書籍ではなく、
投資家として知っておきたい考え方の基礎が様々な視点で書かれています
優秀なインベスターを目指す方には、おすすめの書籍です
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